「生活習慣指導」いたします
先生は、歯医者さんなのに「生活習慣指導」をすると聞いたのですが、どんなことをするのでしょうか?
口の中をみてから、生活習慣指導をすることがあります。
適切なアゴの位置だったり、ベロの位置だったり。
アゴやベロのポジショニングを昼間に意識してもらうように「生活習慣指導」して、必要があればマウスピースを作ります。
ベロの位置は、どこにあればいいんですか?
あげ気味で。
●口蓋(こうがい:口の中の上あご)につけてもらう。
●「上の歯」と「下の歯」が当たらないようにしてもらう。
などです。
ベロの位置なんて、意識したことありませんでした。では、アゴの正しい位置は?
上の歯と下の歯はご飯を食べているとき以外は接触していない、当たっていない、です。
え?!上の歯と下の歯は、くっついていてはいけないんですか?!
そうです。
自分が意識して、これが出来ていれば夜の歯ぎしりは確実に少なくなります。
昼間に意識して歯を接触させないと、変わってくる?
そうですね。
昼間の歯の接触も「悪い癖」なんです。
脳にストレスが行きます、歯と歯が当たっていること自体がストレスなんです。
歯と歯が当たることがストレス?!へえ~。
それを緩和してあげると、夜の歯ぎしり食いしばりが減ってきます。
それと連動して、アゴの負担も減ってきます。
歯ぎしりから顎関節症(がくかんせつしょう:詳しくはこちら)になることもあります。
アゴの筋肉が発達している、つまりエラが張っている人は、歯と歯が常に当たっていることが多いです。
エラが張っている・・・歯と歯が当たっていてダメなんですか?!
全てがそうではないですが、咬筋(こうきん)が発達し過ぎている証拠なんですね。
注射で緩和させることもありますが、基本は生活習慣で当てないようにすることです。
歯医者さんでアゴやベロまで診てもらえるなんて、ちょっとおトクな感じします。(笑)
ありがとうございます、ドンドン得しちゃってください。(笑)
お子さんの生活習慣指導として、お菓子の食べ方などの指導もします。
すべては友部のみなさんの健康のため、です。
友部の人の元気のサポート出来たら、本望です!!!
歯医者さんでの「生活習慣指導」とは?
歯ブラシ指導や食生活、喫煙などの指導は想像がつくと思います。
当院は友部の皆さんの元気のために、一歩進んで下記の指導もします。
1.正しいアゴの位置ですか?(TCH:歯牙接触癖)
「正しいアゴの位置と言われても、一体何が正しいのか分からない」
「口を閉じるときは、噛んでいるのが普通でしょ?」
実は、ごはんなどを噛むとき以外、上下の歯は触れないのが正常です。
(上下の歯の接触している時間は食事含めて1日20分以内が正常)
リラックスした状態では、上の歯と下の歯の間は「約1~3mm」離れているのが良い状態です。
「食いしばっていなければ、いいんでしょう?」
いいえ、食いしばりや歯ぎしりではなく、強く噛まなくてもTCHなのです。
歯が接触しているかどうか?を調べるために、口を閉じたまま5分間上下の歯が当たらないようにします。
その時に「なんだか落ち着かない」「噛みたい」と思った場合は、TCHがあると思われます。
歯牙接触癖とは?
歯牙接触癖(TCH:Tooth Contacting Habit)は、食事以外で上下の歯を接触させる癖のことで、「上下歯列接触癖(じょうげしれつせっしょくへき)」とも呼ばれます。
さまざまな不調の原因となることが分かってきました。
こんな自覚症状ありませんか?
下記のような自覚症状が目安です。
- 首や肩の凝が慢性化している
- 口を開けるとアゴの関節の音がする
- 開けると痛い
原因は?
こんなこと、思い当たりませんか?
- 集中する作業をしている(パソコン、仕事)
- 下向きの体制
- 緊張によるストレス
どんな病気・症状を引き起こす?
下記のような病気・症状を引き起こすことがあります。
- 顎関節症(がくかんせつしょう)
- 知覚過敏
- 肩こり
- 側頭筋(そくとうきん)の過緊張による緊張性頭痛
また、歯や歯ぐきの症状としては、下記の事が起きてきます。
- 歯が激しく擦り減る
- 亀裂が入る
- 歯根が露出して歯がしみる
- 歯の詰め物がよく取れる
- 歯根膜(しこんまく:歯と歯を支えている骨の間にある膜)が圧迫され、血流が障害される歯の知覚過敏
- 咬合痛(こうごうつう:咬むと痛い)
- 歯が浮いた感じ
- 歯周病の進行を早める
治療方法
1.リマインダー
まず、「自分自身にその癖があること」を自覚するところがスタートです。
ふとした時に、「あ、自分は上下の歯を当てているな」と気づいたら速やかに上下の歯を離します。
それを忘れないため、部屋の目につくところに「噛まない」、「歯をはなす」と書いた付箋を貼っておく方法も推奨されています。
最初はなかなかうまくいかなくても、何度も繰り返すことで癖は矯正されます。
2.舌の位置を意識
安静時の舌には正しい位置があるのをご存知ですか?
- 唇は軽く閉じる
- 歯は2~3ミリほど離れていてる
- 舌はペタリと上あごに触れ、舌先は上の前歯の裏の少し手前にある
「あ、歯と歯が当たってるな」と意識したら離してみる、それを繰り返すうちにTCHは矯正されます。
まずは気づくことからはじまります。
2.正しいベロの位置ですか?(口腔筋機能療法:MFT:Oral Myofunctional Therapy)
舌に正しい位置があるのをご存じですか?
「ベロの位置なんて意識したことがない」
「合っている、間違っているなんてあるの?」
あるんです!
舌は「上アゴにくっついている」が、正しい位置です。
舌の付け根は下アゴにくっついているので、舌の筋力がないと舌が下アゴに収まり「低位舌(ていいぜつ)」になります。
舌は筋肉の塊なので、「舌の筋トレ」をすることで改善します!
当院では、舌の訓練の指導をします。
訓練した内容を、毎日練習していただくことで舌の使い方を正しく変えていくことが大切です。
こんな自覚症状ありませんか?
- 気が付くとポカンと口をあいている(口呼吸)
- イビキをかいている
- 発音、滑舌が悪い
- 食事中にクチャクチャと音が出る
- 口臭がきつい
どんな症状が起きてくるの?
- 歯並びが悪くなる
- 発音が悪くなる
- 姿勢が悪くなる
- 風邪をひきやすくなる
原因
ベロの筋肉が弱いことと、お口の周りの筋肉のバランスが悪いことで起きてきます。
治療方法~口腔筋機能療法(MFT)という筋トレをします!
舌だけだなく、お口周りの筋肉のトレーニングも併せて行います。
実は小顔効果もあります。
理想のお口とお口周りの筋肉は?
下記の状態であることが、理想の状態です。
- 鼻呼吸している
- お口はリラックスした状態で閉じている
- 舌はリラックスした状態で上アゴについている
- 上下の歯はわずかに離れている
下記のページも併せてご覧ください。
3.正しい食習慣ですか?
当院には、小児歯科医が在籍しています。
歯磨きも大事ですが、実はお菓子を含めた食事の指導も歯科での大事な「生活習慣指導」です。
お子さまに「食事カード」を記入していただき、虫歯のないお口を作るお手伝いをしていきます。(予定)